アルコール依存症克服ガイド

自分自身と向き合うことは苦しいこと

自分自身の姿は、鏡を通して見ることしかできませんよね。
つまり、自分自身を外側から見ることはできないわけです。

 

それは、内面についても同じこと。
自分では、「自分は明るい人間だ」「自分は社交的なほうだ」
…と思っていても、他人が受け取る“あなた”は
ひょっとしたら根暗で内向的な人なのかもしれません。

 

往々にして人は、自分で自分がかわいいもの。
口では「私なんて…」と自己卑下している人でも、
心のどこかでは「自分が一番!」
と思っているところが必ずあるハズなんです。

 

だからこそ、人の目に映る自分自身、
ひいき目ではない厳しい目で評価された自分自身と向き合うのは
非常に苦しいこと。
ずっと信じてきた“自分像”が
音を立てて崩れることだってあるわけですから…。

 

しかも、場合によっては
自分自身を変える努力を強いられることもありますので、
できることなら本当の自分なんて向き合いたくないのです。
いつまでも、自分に都合の良い自分像にしがみついていれば、
楽ちんですから…。

 

しかし、そうもいかないのが“考える葦”である人間というもの。
時には自分自身としっかり向き合って、
苦しい現実を受け入れなければならない時があります。

 

依存症の治療もその一つ。
まずは、「何かに依存している」という自分自身と向き合って、
自分の現実を受け入れることから始めなければなりません。

「自覚」が治療の第一歩

酒を飲み過ぎて体を壊していようが、
買い物をし過ぎて生活が破たんしていようが、
それが「依存症」という病気のせいだと自覚できていない…。

 

これが、依存症の恐ろしいところです。
病気だという自覚がないわけですから、当然、
病院で治療を受けようなんて発想には至りませんよね。

 

それどころか、
「こんなのはみんなやっていることだ」「私だけではない」
「止めようと思えばいつでも止められる」
…と、自分の置かれている状況を否認しようとします。

 

そうしている間に、状況はどんどん悪化しているというのに…。

 

依存症の治療の第一歩は、とにかく本人が病気を自覚するということ。
依存症によって、自分自身に・周囲にどのような悪影響が出ているのかを
本気で考えなければ先へ進めません。
本人が「依存から抜け出そう」と決心しなければ、
周りがどんなに治療の必要性を訴えても回復の見込みはないでしょう。

 

そのためには、本人を甘やかさずに現実を突き付けることです。
周囲も一緒になって現実から目を背けようとするのではなく、
「あなたはこういう状態なんだ」
「もう助けてあげられない状態まで来ているんだ」
とありのままの事実を教えてあげることが必要なのです。

家族の「自覚」も必要

依存症の治療には、
本人が「自分が病気である」という自覚を持つことが必要不可欠。
自覚がなければ、先へは進めません。

 

この時に必要となるのが、家族のサポート。
サポートと言っても、それは患者を甘やかすことではありません。
一緒に依存症と戦うことです。
単に、患者の失態の尻拭いをするだけではなく、
現実を突き付けること、一緒にその現実を受け入れて立ち向かうこと
本当の意味での“サポート”と言えるでしょう。

 

ともすれば依存症の家族は、
「もう二度としないから」「自分は大丈夫だから」
…という患者の言葉に流されて、
患者を甘やかしてしまうところがあります。
結局はいつも裏切られることになるのですが、
その場を穏便に流すには患者の言葉を信じて受け入れるのが楽だからです。

 

つまり、“その時”一瞬のことしか考えずに患者に接しているために、
問題の根本的な解決を後回しにしてしまうんですね。

 

しかし、それではいつまで経っても
依存症の悪循環から抜け出すことはできないのです。
本気で「患者に変わって欲しい」「家族の未来を守りたい」と思うのならば、
患者との衝突を恐れないこと。
家族自身も、
「自分たちの家庭は崩壊の危機に直面している」
という自覚を持つことです。

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