アルコール依存症克服ガイド

脳を興奮させる

アルコールや薬物といった“物質”に依存する「物質依存症」の場合、
それを「やめたい」という気持ちがあっても
身体が止めさせてくれないという状態に陥っていきます。

 

やめたくてもやめられない。
…それは、脳が快感を覚えてしまったからです。

 

私たちの脳内には神経伝達物質と呼ばれる物質があり、
感情のコントロールに寄与しています。
しかし、アルコールや薬物、ニコチンといった物質は
神経伝達物質の働きを必要以上に亢進させてしまうため、
快楽や陶酔感などの感情を制御できなくなってしまうのです。

 

例えば、アルコールが脳内に作用すると、
ドーバミンという神経伝達物質が大量に放出されます。
このドーパミンは中枢神経を興奮させ、幸福感や恍惚感といった感情を生じさせます。
副交感神経が活性化して身体もリラックスした状態になりますので、
とにかく気持ちが良いわけです。

 

しかし、アルコールが切れてしまうと、また殺伐とした現実に引き戻されてしまう…。

 

だからまたお酒を飲む。
…この繰り返しで、徐々にお酒に依存していくのです。

様々な神経伝達物質

依存症を理解する上でのカギとなるのが、
脳内で様々な情報のやりとりを行っている神経伝達物質です。
具体的には、次のような物質があります。

 

●ドーパミン
快楽や恍惚感、陶酔感などを生じさせ、攻撃性や創造性を生み出すと言われています。
また、物事に対する姿勢を前向きにさせるという作用も知られています。

 

●セロトニン
気分を明るくさせ、やる気を出させる作用があります。
運動や食欲、睡眠、不安にも関与している物質です。

 

●GABA
不安や緊張を緩和してリラックスさせる作用があります。

 

●ノルアドレナリン
神経を興奮させ、不安や恐怖を生じさせます。
ストレスによってその働きが高められます。

 

…これらの脳内神経伝達物質が生まれつき不足している人は、
素因として物質依存症になりやすいという説もあります。
つまり、体質的な問題で幸福感を感じにくいために不安が生じやすく、
何かに依存しやすくなるということです。

物質依存症になる要因とは

物質依存症になる要因として、
「生まれつき、脳内神経伝達物質の量が不足している」ことが挙げられますが、
最も注目されているのは、生育歴です。

 

つまり、親がどんな育て方をしてきたのか、
子供に対してどのように接してきたのかということ。
親の養育態度に問題があると、
不安や不満を抱えやすく何かに“依存”しやすくなると言われています。
特に、幼少期の頃に母親との関係性に何らかの問題があった人は
依存症になりやすいようです。

 

また、身近に物質依存症の人がいるという“環境”も大きな要因でしょう。
例えば、身近に酒やたばこに依存している人間がいると、
その物質に対するハードルが低くなるために依存症になりやすくなります。

 

依存症は、本人のみならず、その周りの人間にも悪影響を与える病気。
特にお子さんがいらっしゃる方は、自分だけではなく子供の未来のことも考えて、
今の状態から早く抜け出す道を探すべきです。

 

とはいえ、当事者だけでは対策が難しいケースも多いと思います。
「ちょっとおせっかいかな…」と思っても、
身近な親族や友人は積極的に介入して子供の将来を守るべきではないでしょうか。

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