アルコール依存症克服ガイド

幻覚は症状の一つ

アルコール依存症の代表的な症状とはどのようなものかご存知でしょうか?
病名を耳にする機会は多くても、
具体的にどのような症状が表れる病気なのか
知らない方も多いことでしょう。
(単に、お酒を飲み過ぎるというイメージしかないのでは…)

 

アルコール依存症の症状のうち、主なものは
「連続飲酒」、「離脱症状」、「精神症状」です。
連続飲酒とは、読んで字のごとく、
絶え間なく・連続して飲酒するということ。
朝から晩まで、飲んでは寝て…を繰り返す状態が
数日〜何カ月も続く状態です。

 

続いての「離脱症状」は、アルコールが体内から抜ける際に
手や身体の震え、発汗、頻脈、不安、興奮、不眠、
吐き気といった症状が表れることです。

 

最後の精神症状は、離脱症状と同時に起こることが多いようですね。
具体的には、幻覚が見えたり、幻聴が聞こえたり…。

 

幻覚とは、(実際にはいないハズの)小さい虫が
辺り一面を這いまわっているように見えたりする症状です。
幻覚の内容は患者によって異なるようですが、いずれにしても
「見えるハズのない物」が見えているわけですから、
早急に治療を施す必要があります。

幻覚症状が表れた場合の治療法とは?

アルコール依存症で離脱症状や幻覚の症状が表れた場合は、
薬物療法によって症状を抑えることになります。

 

幻覚に対して用いられるのは、抗精神病薬と言われるもの。
統合失調症の治療にも用いられる薬です。
具体的には、ハロペリドールやリスペリドンという薬を使用するようですね。

 

あまりにも幻覚症状が強く表れている場合は、
入院して治療を受ける必要があります。
薬物療法を受ければ、離脱症状や幻覚の症状は治まります。

 

ただ、アルコール依存症の場合は、本人に病識がないために
治療を受けさせること自体が難しいケースが多いのが現実…。

 

依存症は飲酒量をコントロールするのはすでに不可能な状態なので、
飲酒自体を禁ずるような環境=すなわち
入院が一番の治療法ではあるものの、
家族が説得できないために野放しになっている例も多いようです。

 

患者の更生を願うならば、家族も「もうこれ以上甘やかさない」という
強い覚悟を持たなければ治療は成功しません。
患者になじられても恨みごとを言われようとも、
本人や家族の未来を考えれば、今が心を鬼にすべき時ではないでしょうか。

アルコール依存症に用いられる薬

意外と知られていませんが、
アルコール依存症そのものに効果的な薬物は日本にはありません。
では、どのような薬が使われているのかというと、
次のようなものが挙げられます。

 

■抗不安薬、抗精神病薬
アルコール依存症の離脱症状、幻覚などの
意識障害がある場合に使用されます。
このような症状がない場合には、使用しません。

 

■抗酒剤
アルコールが代謝されることによって生じる
「アセトアルデヒド」の分解を妨げることで、
飲酒後速やかに嘔吐・動悸・頭痛などの
不快症状を起こさせるための薬です。

 

こうした症状を人工的に起こさせることで、
断酒を継続させるのが狙いです。

 

アルコール依存症を根本的に治療するための薬ではないものの、
依存症の再発防止(断酒を長期間継続させる)に役立つ薬として
使用されています。
具体的な薬としては、シアナマイドやノックビンなどがあります。

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