アルコール依存症克服ガイド

「見放されるのが怖い」という感覚

みなさんは、職場で自分の意見を堂々と言えていますか?
言いかえれば、みなさんの職場は、
色んな意見を否定せずに受け入れてくれる環境でしょうか?

 

企業という組織には実に様々な人々が集まっていますので、
本来は十人十色の意見が出てきて当然です。
しかし、実際には、他人の意見に同調するだけで
自分の考えを口に出せない人も多いもの…。

 

その背景には、
「人から否定されたくない」「上司に嫌われたくない」
「職場の和を乱したくない」「上司や同僚から見放されるのが怖い」
…という心理が潜んでいます。
要するに、「会社をもっと良くしていこう!」とか、
「自分を成長させたい」といった前向きな思考よりも、
職場の雰囲気や居心地を重視することを重んじているわけですね。

 

これは、立派な「職場依存」です。
職場依存の人は、自分の意見を言えないことや
仕事そのものにストレスを感じていることも多く、
お酒に逃げ込んでアルコール依存症になるケースも多いようです。

“自分”を捨てていませんか?

職場依存は、とにかく仕事が大好きで仕事にのめり込んでいく「仕事依存」とは
全く異なる種類の“依存”です。
彼らは、仕事が好きなわけではありません。
ただ、“職場”という環境に依存しているのです。

 

職場に同化するためには、自分を捨てなければならない場面など日常茶飯事です。
上司が「Aだ」と言えば、たとえ自分が「Bのほうにすべきだ」と思っていても
上司の意見に同調しなければならないこともあるでしょう。

 

そうまでして上司のご機嫌を窺うことに何の意味があるのか!?
…それは、自分を捨てて組織に同調することで、上司や組織に
“守られている”“仲間に入れてもらえている”という安心感を得ることができるからです。
孤立無援の状態で自説を貫くとなると、
「もしかしたら自分は他の部署に飛ばされるかもしれない」
「自分はクビにされるんじゃないだろうか」
という不安を引き受ける覚悟が必要ですからね…。

 

とはいえ、自分を捨て続ける毎日に何の弊害もないはずがありません。
我慢して自分を抑えつけている反動で、アルコール依存症などの依存症や、
うつ病など、心の病を発症するケースも少なくないのです。

職場の人間関係が原因で依存症に…

職場依存の根本にあるのは、他ならぬ職場の「人間関係」です。
ただ一人で淡々と仕事をこなしているだけであれば、
依存症になるほど深く思い悩むこともないかもしれません。
上司と部下の関係や、同僚との関係は、実は非常に複雑です。

 

よく、「女同士の関係に比べて男同士はさっぱりしている」と言われますが、
職場という環境を見る限りでは男だって相当ネチネチしていますよ(笑)。
特に注意しなければならないのは、上司と部下の間に生じる「共依存」です。
上司は部下を従わせることで自分自身の存在価値を高め、
部下は上司に追従することで「見捨てられるのではないか」という不安感を緩和します。

 

つまり、お互いに、自分自身の不安感を解消するために
相手との関係にもたれ合っているというわけ。
双方の利害が一致しているため、
その依存関係からなかなか抜け出せない点も問題です。

 

いつも上司に従ってばかりいるということは、
知らず知らずのうちに心の中に澱を溜め込んでいる可能性があります。
そういう人がお酒を覚えると、酒の力を借りて自分が大きくなったような錯覚に陥り、
すっかり気分が良くなってしまいます。

 

そこからアルコール依存症にまっしぐら…という可能性もありますので、
自分は危ないなと思う人はアルコールとの付き合い方に注意が必要です。

職場依存とアルコール関連エントリー