妊娠中の飲酒は厳禁★
女性も男性と同じくらい、もしくはそれ以上にお金を稼ぐ時代。
お酒を飲む機会も多いでしょうし、その辺の草食系男性よりも
よっぽど男らしい飲みっぷりを披露している方も多いでしょう(笑)。
しかし、男性に比べてアルコール許容量が少ない女性の場合は、
アルコール依存症になってしまうリスクも高いので注意が必要です。
また、アルコール依存症と同様に注意すべきなのが、妊娠中の飲酒。
妊娠した場合には、どんなにお酒が好きでも飲酒を控えなければありません。
ご存知の通り、妊娠中は、
母体と赤ちゃんがへその緒や胎盤でつながっています。
胎盤は、母体と赤ちゃんの間のフィルターの役目を果たしてくれるため
有害物をシャットアウトすることが可能ですが、
残念ながら全ての有害物を遮断できるわけではありません。
アルコールはほぼ素通りしてしまうのだとか…。
このため、お母さんが妊娠中にアルコールを摂取してしまうと、
それはお腹の中の赤ちゃんにまで到達してしまうのです。
赤ちゃんにはアルコールを処理する機能が備わっていないため、
飲酒が原因で早産になってしまったり、
赤ちゃんに障害を負わせてしまったりする原因にもなり得るのです。
胎児性アルコール症候群とは?
妊娠中の飲酒は、胎内の赤ちゃんに有害な影響を及ぼします。
中でも特に問題になっているのが
「胎児性アルコール症候群(Fetal alcohol syndrome:FAS)」。
アルコール依存症の女性から生まれてきた赤ちゃんのうち約4割が、
この「胎児性アルコール症候群」と診断されているというデータもあるようです。
FASは、神経系脳障害の一種。
妊娠中のアルコールの摂取量や摂取頻度により、
赤ちゃんに軽度〜重度のあらゆる知能障害が顕れることがあるのです。
FASの発症頻度は、アメリカでは1/1,000例、
日本では1/10,000と報告されていますが、
日本ではFASの認識自体が極めて低いため、
実際にはもっと高い頻度で発症していると考えられています。
ただし、これは、妊娠後も継続して飲酒を続けた場合の話。
たとえ母親がアルコール依存症だったとしても、
妊娠中に断酒していれば胎児性アルコール症候群は予防することが可能です。
子供を授かった方はもちろんのこと、
「子供が欲しいな」と思い始めた時点で
アルコールは控えることをオススメします。
ちょっとくらいなら大丈夫?
アルコール依存症の患者さんの中には、
「いくら妊娠中の飲酒はダメだって言ったって、
ちょっとくらいなら大丈夫なんじゃない?」
という安易な考えからお酒を口にしてしまう方もいます。
そもそも、アルコール依存症は
「お酒を飲みたい」という衝動を抑えられなくなってしまう病気。
妊娠したからといって簡単にお酒を控えられない方も多いのです。
しかし、妊娠中に飲酒をすると、
母体の血中アルコール濃度と胎児の血中アルコール濃度は
ほぼ同じになってしまいます。
これは、胎児は否応なしにアルコールの影響を受けてしまうということ。
特に妊娠初期(妊娠2ヶ月目相当)は
胎児の発育が急速に進む時期でもあるため、
この時期の飲酒は胎児の成長に多大な悪影響をもたらすことになります。
「どのくらいの量までは大丈夫なのか?」
は厳密なところはいまだ明らかになっていないようですが、
上記のような理由により、
たとえ少量であっても妊娠中の飲酒は避けるべき
という考え方が専門家の間でも一致しています。
1日にたった2杯のアルコール飲料を摂取するだけで、
胎児性アルコール症候群が発症する可能性は十分にあるのだとか。
(ちなみに、母乳は血液からつくられるため、授乳中の飲酒も絶対にNGです)
特に、アルコール依存症の方の場合は
飲みだすと止まらなくなって泥酔するまで飲み続けてしまう方も多いため、
周囲の人のサポートが鍵となります。