アルコール依存症克服ガイド

アルコール依存症が進行すると…

アルコール依存症の症状が進行すると、
絶えずアルコールを欲しがるようになり、
その欲求を自分でコントロールすることができなくなってきます。

 

そんな状態でも、
「自分は自分の限界を知っているから大丈夫」
「会社には出社しているから大丈夫」
「身体に問題はないから大丈夫」
…と、酒量をコントロールできない自分を認めようとはしません。

 

こうなると、家族がそのアルコール量を管理するのも難しくなってくるでしょうし、
医師の言いつけを守るハズもありません。

 

この場合、通常の通院治療で治すのは極めて困難。
本人の意思には関わらず、“強制入院”による治療が必要となります。
これは、麻薬や覚せい剤の依存症患者と同じ対処法。
とにかく、アルコールが決して手に入らない環境に放りこんで、
体内から徹底的にアルコールを抜くこと。
いわゆる“クスリ抜き”が必要となるわけです。
これが、重度のアルコール依存症患者の基本的な治療法と言えるでしょう。

入院治療はなぜ必要なの?

お酒を飲むと、当然のことながら
血中にアルコールが混ざることになります。
すると、体温や脈拍に異常が発生するため、
身体はその変化を「元に戻そう」として体温や脈拍を整えようとします。
(このような機能を、「ホメオスタシス」と呼びます)

 

しかし、アルコール依存症の場合、
血液にアルコールがある状態こそが「正常な状態」と身体が誤認しているため、
血中からアルコールがなくならないように常に酒を求めるようになるのです。

 

この状態から脱するためには、とにかく、
「血中にアルコールがない状態=正常な状態」
と身体に言い聞かせてやらなければなりません。
そこまで徹底的に断酒するためには、やはり入院による治療が必要なのです。

 

なぜかといえば、普段通りの日常生活の中では
どうしても酒が手に入ってしまうからです。
家族に隠れて買いに行ったり、
家族の反対を暴力で押さえつけて酒を飲んだり…。

 

このようなことを防ぐためにも、
専門医の居る専門の病院で入院治療することが望ましいといえるでしょう。

入院治療の利点

入院して1カ月も断酒をすると、
肝臓のガンマ・GTPの数値はみるみる下がってきます。
これに伴って、体調もよくなってくるハズ。
アルコール依存症患者にとって、
こうした健康な体の“爽快感”を味わうことは大切なことです。

 

「酒を止めるとこんなに体調が良くなるんだ」
「酒を断つと、こんなに気分が良いんだ」
と心身に刻み込む必要があります。

 

そこからさらに3カ月も断酒すると、酒のない生活リズムに慣れてきます。
重度のアルコール依存症だった頃には酒のことばかり考えていた人が、
読書やスポーツを楽しめるようになったり、
家族のことを考える気持ちの余裕が生まれたりします。

 

病院によっては、
陶芸などのプログラムを加えているところもあるようですね。
このような活動により、家族や友人との人間関係も回復するでしょう。

 

アルコール依存症患者が入院することは、
その家族の精神的負担を和らげることにもつながり、
破たんしていた家族機能を再び元に戻す効果も期待できるのです。

 

一旦アルコール依存症になって社会的信用を失ってしまうと、
その信用を回復するのは並大抵のことではありませんが、
頼りになる医療スタッフ、温かい家族、良き仲間のサポートを得て
社会復帰することもまた不可能ではないのです。

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