アルコール依存症克服ガイド

現実と向き合えない

誰だって、辛い現実から目をそむけたくなることはありますよね。
同僚たちと比較して明らかに悪い営業成績、下がり続ける子供の成績、
奥さんの浮気、ギスギスしている家庭内の空気…。

 

できれば、見て見ぬふりをしたい、気付かないふりをしたいと思うのは、
誰もが持っている人間の弱さ故のことではないでしょうか。

 

しかし、実際には、どんな現実でも受け入れなければなりません。
そして、その状況を改善するための方法を考えて、実行し、
そうやって人は前へ進んでいくのです。

 

しかし、アルコール依存症の現実逃避は、徹底的に現実から逃げてしまいます。
家族がどうなっているのか、会社がどうなっているのか、
自分はどんな状況に置かれているのか…そんなことは全く目に入りません。
ただただ、自分が酒を飲めれば良いのです。

 

極端な言い方をすれば、どうすれば今日も酒を飲めるか、頭の中はそれだけ。
しかも、酒は飲んでも「支払い」という現実からさえも逃避してしまいます。

 

あとは家族に任せて逃げてしまう。
このような現実逃避が続くため、社会的な信用を失うのはもちろんのこと、
家族からも見放されてしまいます。

責任転嫁も現実逃避の裏返し

現実逃避はアルコール依存症の特徴の一つですが、
責任転嫁もまた現実逃避の裏返しと言えるでしょう。
何かうまくいかないことがあると、
「それは○○のせいだ」「○○が悪いからこうなったんだ」とあっさり責任を放棄します。
そして、相手を恨み、その恨みを肴にしてまた酒を飲み続けるという悪循環…。

 

現実逃避するばかりで物事を客観的に見ることができなくなっていますので、
全ての言動が自己中心的になってしますのです。

 

これは、いわば赤ん坊と同じ状態。
アルコールを求めて暴れまわるアルコール依存症患者は、
ミルクやおもちゃを求めて泣く赤ちゃんと一緒なのです。

 

アルコール依存症の患者がこのような状態に陥ってしまうのは、
アルコールが脳を麻痺させてしまうから。
脳の神経細胞が正常に機能しなくなっているために、
物事を論理的に考える力が極端に弱くなっているのです。

 

ですから、アルコール依存症の人にどんなに責任を追及しても、それは豚の耳に念仏。
思考力や判断力、忍耐力の全てが低下していますので、
まともに会話しようとしてもうまくいかないケースがほとんどです。

家族も我慢が必要

脳が麻痺して忍耐力が低下しているアルコール依存症患者にとっては、
入院生活も苦痛以外の何物でもありません。
家族に、「早くここから出してくれ」と泣きつくこともあるでしょう。

 

しかし、家族はそこでひるんではいけません。
患者が入院せざるを得ないほどの状態になってしまったのは、
これまで後始末をしてきた家族にも責任があります。
落ちるところまで落ちて、「どん底」を見せなければ、
患者はいつまでもアルコール依存症から抜け出せず、
現実逃避をし続けることになるでしょう。

 

長い目で見れば、それは本人や家族みんなの未来を奪うことになります。

 

泣いたり暴れたりしても、「今度こそ」と決めたのであれば、もう援助はしないことです。
すがりつかれても、毅然とした態度を貫く覚悟をしてください。

 

そんな家族の様子を見れば、
本人も本気でアルコールから抜け出す決心をせざるを得なくなるハズです。

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