アルコール依存症克服ガイド

急増する、高齢者のアルコール依存症

何十年も仕事一筋。
幾多の苦難を乗り越え、出世競争に勝ち抜き、晴れ晴れと会社を退社。

 

…そんなお父さんたちが、
定年後にアルコール依存症に苦しむというケースが増えているという
ショッキングなデータがあります。

 

長年続けてきた仕事中心リズムから、
時間の有り余る生活にポイっと放り出されてしまうと、
人は何をして良いのか分からなくなってしまうようですね…。

 

女性であれば、子育てなどを通じて地域との関わりもできているため、
高齢者となってもそこまで孤立してしまうことは少ないでしょう。
しかし、男性の場合は、これといった趣味もなく、
地域との関わりもない状態で孤立してしまい、
アルコールに走ってしまうというケースも多いようです。

 

第一線から退いたことや、子供の自立などをキッカケに飲酒量が増え、
酔えば妻との喧嘩の繰り返し。
その飲酒行動が原因で熟年離婚という可能性もありますので、
「長い間働いてきたんだから、定年して酒を飲むくらいは良いだろう」
なんて笑って済ませられる問題ではありません。

何が問題?高齢者のアルコール依存症

アルコール依存症は、
自分の意思では飲酒量をコントロールできなくなってしまう病気。
酒が切れるとイライラしたり、手足の震えや幻覚、幻聴といった
“離脱症状”が現れたりするため、
その苦しさから酒を断つことができなくなってしまう方も多いようです。

 

特に、高齢者の場合は
体力が低下しているために離脱症状がおさまりにくいのだとか。
足腰も不安定になるため転倒しやすくなったり、認知症や肝臓疾患などの
身体疾患を併発しやすくなったりする危険性が高いと言われているのです。

 

高齢者のアルコール依存症は、
介護の現場でも深刻な問題になっているようで、
「介護ヘルパーだけでは対応しきれない」
「福祉と医療をもっと連携させないと、アルコール依存症者の対応は不可能だ」
という声も上がっているんだそうです。

 

泥酔による転倒や意識障害などで救急搬送を繰り返し、
退院後は飲酒行動が再発してヘルパーに当たり散らし、
再び問題行動で入院…。
そんな迷惑行動を繰り返し、
ブラックリストに載っている高齢者も増えているのだとか。

 

しかし、自力で自分の行動を制御できないわけですから、
本人を責めても仕方がありません。
ましてや、身近なところにいる家族が
「やっと退職したんだし、酒くらい飲ませてやりたい」
という想いから飲酒行動を認めている場合が多いわけですから、
高齢者のアルコール依存症の回復は
かなりハードルが高い問題と言わざるを得ないのが現状です。

高齢者のアルコール依存症を予防するために

高齢者のアルコール依存症の場合、
酒以外に気持ちを紛らわす対象がないことが問題です。

 

仕事もありませんし、子供も近くにはいない。
趣味もなく、妻も死別しているとなれば、
孤独感を募らせるのも無理はありません。

 

最初は人とのつながりを求めて外に飲みに出かけることから始まり、
やがては自宅で1人、朝から晩まで酔い潰れるようになる…
という例も増えているといいます。

 

せっかくの第二の人生をアルコール浸りで終わらせてしまうのは、
なんとも心が痛む話です。
30年も40年も必死で働いてきたのに、なぜ苦しまなければならないのか。
そういった自分の境遇を憐れんで、
かえって深酒してしまうことも多いのです。

 

高齢者になってからアルコール依存症にならないためにも、
在職中から趣味や職場以外の人間関係を築いておくことが
1番の予防法となります。

 

会社での地位や名誉、知人、友人、同胞、配偶者、子供…
大切なものを失った時、あなたには何が残るでしょうか?
高齢者になるということは、
それだけ失うものも多くなるということです。

 

その時、酒に頼ることなく余生を力強く生き抜くためにも、
若いうちから「第二の人生設計」を描いておくことも必要です。

 

縁起でもありませんが、
妻(配偶者)や友人が自分よりも先に逝ってしまう可能性も踏まえて、
先々のことをイメージしておくようにしましょう。

 

「たとえ自分が高齢者になってアルコール依存症になったとしても、
福祉や医療機関のネットワークがなんとかしてくれるだろう」
と考えるのは、ハッキリ言って甘い!!
他人にかける迷惑は最小限に留められるよう、
30代、40代のうちから“身仕度”を始めておきたいところです。

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