アルコール依存症克服ガイド

アルコールが引き起こす“栄養障害”

世の中の誰もが、「アルコールを飲み過ぎてはいけない」と知っています。
アルコールは、様々なトラブルの元にもなりますし、
一時的・慢性的な意識障害を引き起こす危険性も秘めているからです。

 

しかし、忘れてはいけないのが、
アルコールは栄養障害の原因にもなり得るということです。
小腸は胃から送られてきた栄養素を体内に吸収しますが、
アルコールによって小腸の粘膜が荒れている場合、
十分な栄養素が吸収できなくなってしまうのです。

 

また、アルコール依存症患者の多くが
まともな食事を摂っていないことも憂慮すべき問題!
食べずにお酒ばかり摂取していると、
十分な栄養素がない状態でアルコールを代謝しなければならない状態となり、
エネルギー不足やビタミン不足になってしまうのです。

あなたの肝臓は大丈夫?

お酒を飲み過ぎると肝臓に負担がかかることはみなさんもよくご存知でしょう。
それは、肝臓がアルコールを分解する臓器だからです。
学生の頃、習いましたよね!?

 

お酒の成分である“エチルアルコール”は肝臓に運ばれ、
そこで、“アルコール脱水素酵素”によって
“アセトアルデヒド”と“水素”に分解されます。

 

そして、さらに“アセトアルデヒド”は
“アセトアルデヒド脱水素酵素”によって“酢酸”と“水素”に分解され、
最終的に炭酸ガスと水になって体外に排出されるというわけ!

 

…そんなわけで、アルコールを飲みすぎると当然のことながら
アルコールを分解する肝臓に負担がかかる仕組みになっているのです。

 

また、肝臓は、胃腸から吸収された食べ物から「たんぱく質」、
「脂肪」、「糖質」など“栄養素”の合成を行う場所でもあります。

 

そのため、満足な栄養も摂らずにアルコールばかり飲んでいるようでは
“栄養障害”になってしまいますし、
肝臓の機能もどんどん悪化していきます。

アルコール依存症の栄養管理

アルコール依存症患者には、食事をほとんど摂らずに飲酒を続け、
慢性的な低栄養状態に陥っている方が多いのだといいます。
飲酒による問題行動が原因で家族が崩壊しているケースも多いため、
身近で栄養管理をしてくれる人がいないというのも一つの要因かもしれませんね。

 

アルコール依存症の治療では、酒を断つことはもちろんですが、
栄養管理も非常に重要なウェイトを占めるポイントになります。
アルコール依存症の栄養管理としては、高タンパク・高エネルギー食
(タンパク:1.5g/kg、総エネルギー35〜40kcal/kg)
努めて摂取することが望ましいのだとか。

 

また、ビタミンB1が不足することによって脳に異常をきたしたり(痴呆など)、
ビタミンB12の不足によって大球性貧血や末梢神経炎を起こすケースもあるため、
ビタミンB群の摂取も重要なポイントとなります。

 

肝臓という臓器は、余分なビタミンを貯蔵したり、
体に合わせて作り変えたりする役割を担っていますが、
アルコール依存症などで肝機能が低下した状態ではこの機能が鈍化してしまうため、
健康な人以上にビタミンを摂取する必要があるのです。

 

特に、ビタミンEやビタミンB群は健常者の2〜3倍の摂取が望ましいのだとか。
ご家族にアルコール依存症の患者をお持ちの方は、
「肝臓を守る」をキーワードとした栄養管理を心がけましょう。

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