アルコール依存症克服ガイド

医療保護入院が必要な例

もしもあなたの大切な人が、
仕事もせずにアルコール中心の生活をするようになったら、
当然のことながらあなたはその人に言うでしょう。

 

「飲み過ぎだよ」
「そんな生活してたら身体壊すよ」
「一緒に病院に行こう」

 

…しかし、もしもその人がすでにアルコール依存症を発症しているのだとしたら、
そんな助言には聞く耳を持たないでしょう。
おそらく、
「自分の限界は知っているから大丈夫」
「これくらいは大丈夫」と、
自分の置かれた状況を認めようとはしないでしょう。

 

それどころか、
「余計なお世話だ」と暴力を振るう人もいるかもしれません。

 

しかし、黙って見ているほうは気が気ではありませんよね。
そのうち、手のふるえや記憶脱落、γGTの値の上昇など、
明らかな異常が出てくるようになります。
そして、本人には幻覚や幻聴の症状まで出てくるのです。

 

「この人をこのまま放っておいたら死んでしまう!」
…そんな危機感を感じた時、
一つの選択肢としてあるのが「医療保護入院」というシステムです。
簡単に言えば、
「拒否する患者を入院させる方法」…といったところでしょうか?

医療保護入院ってなに?

医療保護入院は、「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」の中に
定められている入院形態です。
例えば、アルコール依存症で明らかな精神障害を抱えている場合、
精神保健指定医に「入院が必要だ」と診断されれば
本人の同意がなくとも入院させることができるのです。

 

ただし、
「保護者や扶養義務者の同意を得ること」
「精神保健指定医の資格を持つ医師の診察を受けること」
という制約がつきます。

 

こういった制度が生まれたということは、それだけ
「治療が必要であるにも関わらず病院を拒む患者」が多かったということですよね?
実際、現在、精神科入院中の患者の約3割は医療保護入院である
というデータもあるんですよ。

 

「強制入院」というと人権問題に引っかかりそうですし、
ちょっと聞こえも悪いイメージですが、
本人の命を確保するためにとにかく入院させるというのは
もっともな選択のような気がします。

 

実際、医療保護入院中の治療で精神症状が改善し、本人に病識が出て
「任意入院」に変更されるケースも多いのだといいます。

アルコール依存症の医療保護入院

医療保護入院は、治療が必要であるにも関わらず病識のない患者を
半ば強制的に入院させる制度のこと。
アルコール依存症の患者が医療保護入院となり得る要件をとしては、
次のようなケースが考えられます。

 

◆早急に飲酒を止めさせないと、生命的な危機にさらされる可能性が高い場合。

 

◆酒に酔って社会的迷惑行為を繰り返している。

 

◆離脱精神症状(幻覚症状やせん妄など)が顕著に出ている。

 

◆自傷行為が出ている。

 

 

かつては、「アルコール依存症の患者は、底つきまで放っておく」
という考え方もありましたが、今では時代遅れもいいところ!
とにかく治療を受けさせて、
命の危険から患者を守ることを優先すべきです。

 

精神保健指定医の診察を受けさせるところまでが大変ですが、
そこが頑張りところ!
一旦治療さえ受けさせてしまえば、あとは医師と相談して
医療保護入院という方向に持っていくことが可能です。

 

最近はアルコール依存症専門の外来を開設している病院も多いようなので、
事前に家族だけで相談に行ってみると良いでしょう。

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