アルコール依存症克服ガイド

「酔い」と脳の関係は?

酔うと、なんだか気が大きくなって、普段は言えないことが言えてしまったり、
苦手だと思っていた人に気軽に話しかけたりできるようになりますよね。
後で考えると赤面モノな失敗も多いのですが、
酒に酔った勢いでのトラブルって筆者は嫌いではありませんね(笑)。

 

そもそも、「酔う」とは、身体の中でどのような変化が生じている現象なのでしょうか。
それを理解する上では、まず、脳の構造について知っておく必要があるでしょう。

 

アルコールを飲み続けると、下記の順番で脳の各部位の活動が低下していきます。
その過程で、ほろ酔い→酩酊→泥酔→昏睡と移り変わっていくのです。

 

@大脳新皮質
理性的な言動を司る部分。聴覚や視覚、感覚認知の中枢です。
言動が派手になったり、筋の通らないことを言ったりするのは、
この部分の働きが低下するためです。

 

A大脳辺縁系
本能(食欲、性欲、睡眠欲など)や記憶を司る部分です。

 

B大脳基底核
身体を動かしたり、姿勢を保ったりする働きがある部位です。
飲み過ぎると動きが緩慢になったり、姿勢を正したりできなくなるのは、
この部位の機能が低下するためです。

 

C小脳
平衡感覚や身体の動きに関わる部位。
筋肉への力の入れ具合などを調整します。
まっすぐ歩けなくなるのは、小脳の機能が低下するためです。

 

D間脳・脳幹
体温調整や代謝といった生命を維持するための中枢を担う部位です。
泥酔して眠り込んでしまうのは、この部位が麻痺してしまうからです。

アルコールは脳を麻痺させる

脳には、神経細胞と呼ばれる細胞があります。
この神経細胞も、他の細胞と同様に細胞膜と呼ばれる膜に包まれているのですが、
その成分は脳の部位によって異なります。

 

成分が異なるということは、アルコールの通しやすさにも差があるということ。
前項で挙げた@大脳新皮質の細胞膜はアルコールを通しやすいため、
お酒を飲むとまず大脳新皮質の神経細胞の働きが麻痺します。

 

すると、理論立てて話をすることが難しくなり、
とにかく「楽しい」「気分が良い」という開放感を味わうことになります。
ここからさらに飲み続けると、やけに食欲が増して無性に何か食べたくなったり、
身体に力が入らず立てなくなったり、まっすぐ歩けなくなったり…と、
様々な症状が出てきます。

 

これは、脳の各部位の神経細胞が順に麻痺していくから。
最終的には脳全体が麻痺してしまい、大けがをしても痛みを感じなくなったり、
呼吸中枢が麻痺して死に至る場合もあります。

 

アルコール依存症はこの状態がずっと続いているわけですから、脳は常にマヒ状態。
仕事どころかまともな日常生活を送ることさえ難しくなってしまうのです。

どこまでの酒量で止めるべき?

泥酔するまでお酒を飲んでも、得することは何一つありません。
自分は身体を壊し、家族には迷惑をかける。
翌朝、激しく後悔することは目に見えているのですから、
適度な“ほろ酔い”で止められる飲み方を身につけるのが“デキる大人”というものです。

 

体質の違いはありますが、清酒で2合程度(ビールなら2本まで)まで
ほろ酔い程度で留めることができるそう。

 

6時間程度の睡眠で体外に排出されるので、
翌朝までお酒が残るということもありません。
「それができれば誰もアルコール依存症にはならないよ」
というご意見はごもっともですが…。

 

最近、ストレスで酒量が増えてきたなと感じていらっしゃる方は、
これを機に1日あたりの自分の酒量をチェックしてみてはいかがでしょうか。

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