アルコール依存症克服ガイド

どんな病気にもある“診断基準”

ある人が身体に何らかの異常を感じている場合、
“診断基準”がなければその症状が何の病気に該当するのか判断できませんよね。

 

もちろん、アルコール依存症にも診断基準というものがあります。
アルコール依存症は、他の薬物への依存症と合わせて
「精神作用物質依存症」と呼ばれており、
共通の診断基準が決められているのです。
アルコール依存症の疑いで病院を受診した場合、医師はこの基準に基づいて
「アルコール依存症」であるかどうかを判断することになります。

 

では、一体、誰がこの基準を決めているのでしょうか?

 

アルコール依存症の診断基準には、
WHO(世界保健機関)のICD−10で定められている基準と、
米国精神医学会のDSMが定めている基準があります。

 

DSMでは、その他の依存性物質も含めた
「物質関連障害」として扱われていますので、
ここではICDの診断基準を元に話を進めていきます。

WHOが定めたアルコール依存症の診断基準

WHOの診断基準「ICD-10」では、アルコールや薬物などの
いわゆる「精神作用物質」の依存症について、
以下のような診断ガイドラインを定めています。

 

これらの項目のうち、過去1年間のある期間に3つ以上該当した場合に、
「アルコール依存症」と確定診断されるようです。
ここでは、分かりやすい言葉に噛み砕いてご紹介します。

 

 

■お酒を飲みたい!という強い欲望あるいは強迫感がある。
例えば、「毎日、飲みに行くことばかり考えて暮らしている」
「常に酒のストックがないと落ち着かない」
「酒を入手するためなら積極的に出かける」など。
アルコール依存症の症状が進行すると、会社を休んで飲んだり、
家族に隠れてでも飲んだりするようになります。

 

■お酒を飲み始める時間や酒量に関して、
摂取行動を自分でコントロールすることができない。
「今日は一杯だけにしよう」と心に決めて飲み始めたはずが、
結局は前後不覚になるまで飲み続けてしまう…といったケース。
あればあるだけ飲んでしまったり、肝臓を悪くするほど飲んでしまったり。
医師に止められても酒を断つことができないことも、この症状に含まれます。

 

■禁酒または酒量を減らした時に生理学的離脱症状がある。
この離脱症候群を軽減するためにまた酒を飲んでしまう。
離脱症状とは、アルコールが抜けていく時に生じる精神の興奮状態のことです。
アルコールによって脳の神経が抑制された状態が普通になってしまうと、
アルコールが抜ける時にイライラして落ちつかなかったり、
発汗や微熱、脈が速くなったり…といった症状が出るのです。
他にも、こむらがえり、不眠、手指の細かい震えなどがあります。
症状が深刻化すると、全身の大きな震えや
幻覚・妄想なども出てくるのが特徴です。

 

■アルコールに対する耐性が出てくる。
お酒を毎日飲んでいるとだんだん酔いにくくなったり、
反対にずっと飲まずにいると酒に弱くなったり…といった経験はありませんか?
それが、いわゆる耐性です。
アルコール依存症になると、かつてと同じ量では酔えなくあるために、
だんだんと飲酒量が増えていくのです。
ただし、症状が進行していくと、耐性が落ちてきて
少量の酒量でもべろんべろんに酔っ払ってしまうようになります。

 

■アルコール中心の生活を送るようになり、
その他のことに対する興味を持てなくなる。
飲酒のために家族で過ごす時間や会話が減ってしまったり、
趣味よりも酒を飲むことを優先したり。
時間やお金を酒につぎ込むようになったら要注意!
「仕事と酒だけの人生」なんて自嘲している場合ではありません。

 

■アルコールによって明らかな問題が生じているにも関わらず、
飲酒を止められない。
アルコールによって、肝機能が低下したり、高血圧、糖尿病、心臓病、
うつ病気などの異常が出ているにも関わらず、
お酒を止められないケースです。
この他、アルコールが原因の家庭内トラブルや飲酒による喧嘩、
飲酒運転、会社でのトラブル(欠勤や遅刻、成績の低下やミスの増加)、
経済的な問題…等々。
周りに迷惑をかけていることが誰の目にも明らかであるにも関わらず
酒を断つことができないのは、アルコール依存の可能性が高いです。

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