アルコール依存症克服ガイド

「被害妄想」は誰にでも起こり得る

学校や会社、ご近所さんとのつき合いの中で、はっきりとした根拠もなく
「自分は嫌われているんじゃないだろうか」
「自分だけ仲間外れにされているんではないだろうか」
「自分だけ損をしているのではないだろうか」
と思い詰めてしまった経験はないでしょうか?

 

この他にも、「盗聴器が仕掛けられていたらどうしよう」
「部屋の中を盗撮されているんじゃないか」などと、
ふと頭に浮かぶことがあるでしょう。
私たちの誰もが、このような被害妄想を抱く可能性を秘めているのです。
しかし、たいていの場合は「そんなハズないよね。考え過ぎでしょ」
と吹っ切ることができるでしょう。

 

ところが、度を越すと疑念が不安を呼び、にっちもさっちもいかなくなります。
この度を越した疑心暗鬼を「被害妄想」といい、
アルコール依存症の症状のひとつとして挙げられるのです。

アルコール依存症の妄想とは?

健康な人であっても、被害妄想に駆られる可能性はあります。
では、健康な妄想と“病的な”妄想とはどのように違うのでしょうか?

 

例えば、盗聴器が仕掛けられたという根拠なんてどこにもないにも関わらず
「盗聴器が仕掛けられているのでは…」という疑いを持った場合。
それは“事実に反した思い込み”があるということになりますよね。

 

このような思い込みを称して「妄想(もうそう)」いいます。
中でも、「盗聴器によって自分が狙われている」
「自分の部屋が盗撮器のターゲットになっている」といった
“被害者意識”が伴う妄想は、被害妄想に分類されます。

 

妄想があるからといって必ずしも病気だとは限りませんが、
一つの判断基準となるのが「妄想以外の精神状態がどうか?」という点。
アルコール依存症や覚せい剤などによる依存症を発症している場合、
不安感や恐怖感、過度の興奮などのために
健常な社会生活を営むことが困難になるケースが多いのです。

 

また、統合失調症の患者さんにも被害妄想の症状がみられます。
自分の身近な人を苦しめている被害妄想が、
単なる疑心暗鬼なのか病的なものなのかを判断するには、
その人の心身の状態を含めた総合的な見方が必要なんですね。

例えばこんな被害妄想…

では、アルコール依存症の人が抱く被害妄想とは、
具体的にどのようなものでしょうか?
ここでは、アルコール依存症患者によく見られる被害妄想の例をご紹介しましょう。

 

■「自分はくだらない、生きる価値のない人間である」と強く思いこむ。

 

■「自分は偉大な人間で、世界を変えることができる」
…といった誇大妄想に支配されている。

 

■「誰かに刺されそうになった」という被害妄想から、刃物を所持し始める。

 

■「自分の恋愛がうまくいかないのは家族が邪魔するからだ」
…という被害妄想に支配されている。

 

■「周りの人が自分の悪口を言いふらしているから就職ができない」
…という被害妄想に支配されている。

 

■「留守中に誰かが家に侵入して物を盗んだ」という被害妄想。

 

■「家族全員が自分を仲間外れにしている」
「クラスのみんなが自分を無視している」
「会社のみんなが自分の悪口を言っている」
…という被害妄想に支配されている。

 

 

…このような被害妄想から、
家族や会社の仲間に対しても心を閉ざしてしまうケースも多く、
気分が落ち込んだり部屋にこもりきりになったり…
といったケースも少なくありません。

 

本人はもちろんですが、
これでは周りの人をも疲弊させてしまうでしょう。
身近な人にこのような“度を越す”妄想が見られるようになったら、
早めに精神科に相談しましょう。

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